意味・使い方

kino(キノ)は「超最高傑作な映画」を意味するスラングである。

深遠で芸術性が高く、知的に洗練されたインテリにのみ理解されるような名作映画が kino と呼ばれる。


語源

kino は kinography という単語を省略したものである。「kino」という言葉は、ノルウェー語やドイツ語など、多くの西洋言語で「映画」や「劇場」を意味する単語として使用されている。


元ネタ

元々は 4chanや reddit の映画オタクによって使われだした。彼らによれば、kino とは、高尚で洗練された"貴族"のみが理解できる映画であり、タランティーノ作品やスーパーヒーローものをありがたがって楽しんでるような"庶民"には理解されないような映画とのこと。



序列

彼ら映画オタクによれば、「映画」には序列があり、下から順に「Flick→Movie→Film→Cinema→Kino」の順になる。kino には古くて難解で実際に本当に見たのか疑わしいような外国映画が選ばれる傾向にある。以下はその各序列の映画の代表例を列挙した有名なコピペの翻訳。


ABSOLUTE KINOGRAPHY(超最高傑作キノ)
  1. これがロシヤだ (1929, Dziga Vertov)
  2. ニュルンベルク裁判 (1947, Yelizaveta Svilova)
  3. Novosti dnya (1954, Dziga Vertov)
  4. Berlin: Symphony of a Metropolis (1927, Walter Ruttmann)
  5. Symphonie diagonale (1924, Viking Eggeling)

CINEMA(シネマ)
  1. マルホランド・ドライブ (2001, David Lynch)
  2. Voskhozhdenie  (1977, Larisa Shepitko)
  3. ショーガール (1995, Verhoeven)
  4. 国民の創生 (1915, D. W. Griffith)
  5. アイズ・ワイド・シャット (1999, Stanley Kubrick)

FILM(フィルム)
  1. シティ・オブ・ゴッド (2003, Fernando Meirelles)
  2. 黒い河 (1957, 小林正樹)
  3. 秋のソナタ (1978, Ingmar Bergman)
  4. Dog Star Man: Part I (1962, Stan Brakhage)
  5. 勝手にしやがれ (1960, Jean-Luc Godard)

MOVIES(ムービー)
  1. 月世界旅行 (1902, Georges Melies)
  2. 用心棒 (1961,黒澤明)
  3. サクリファイス (1986, Andrei Tarkovsky)
  4. オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014, Doug Liman)
  5. ウィンキーの白い馬 (2005, Mischa Kamp)

FLICKS(フリック)
  1. Een hagedis teveel (1960, Verhoeven)
  2. 七人の侍 (1954, 黒澤明)
  3. ミーン・ガールズ (2004, Mark Waters)
  4. トランスフォーマー・リベンジ (2009, Michael Bay)
  5. ショーシャンクの空に (1994, Frank Darabont)


意味の広がり

このように、使われ出したころは映画用語だったが、言葉が広まっていくうちにどんどんと意味も広がっていき、現在では映画だけにとどまらず、「超すごいもの」「超最高のもの」を意味するスラングとして形容詞・名詞的に使用されるようになった。例えば、food kino は「超絶品な食べ物」の意味になる。


例文

It was an enjoyable flick. Not kino tho.
まぁそれは楽しめる映画だったよ。キノではないけどね。

Inside Out was unironically kino.
インサイドヘッドは皮肉抜きで超最高だったよ。

Gran turismo always has such good soundtracks. GT3 was kino.
グランツーリスモっていつもサウンドトラックがいいんだよな。3のは特に最高だった。

Kino no Tabi is pure fucking kino.
キノの旅は超最高キノだ。


Flickとはうんこであり、Movieとはポップコーンを食べながら見るような映画である。Filmは脳を揺さぶる映画であり、Cinemaは心を揺さぶる映画である。そしてKinoは体全身を揺さぶる最高の映画である。


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